「たかが映画じゃないか!」

投稿者 :柳原秀年 on

HORIZONのヒデヤナです!

僕は兼ねてから、ヒッチコックのある有名な言葉が大好きです。

主演のイングリッド・バーグマンがヒッチコック監督に、演出意図を細かく細かく聞いてくるので、嫌気がさしたヒッチコックが言った言葉…「たかが映画じゃないか!」


「たかが映画」って言葉はとても皮肉が効いている反面、僕たちも映像の製作者として、また観客としても、どこまで真剣に向き合えばいいのだろうと考えることがあります。

 

ヒッチコックの時代、映像と言えば、ほぼ映画だったでしょう。しかし現代はテレビはもちろん、パソコンを開いても動画、スマホを見つめても動画、街を歩いても広告動画が目につきます。映像媒体がどこにでもある今だからこそ「たかが動画じゃないか」と言ってしまいたくなるくらい溢れかえっていますね。


そんな中、つい先日、NHKの番組で、こんなエピソードを見かけました。広島と長崎に原爆投下を命令したトルーマン大統領。その孫であるダニエルさんが核廃絶を訴えているというドキュメンタリーです。

アメリカでは「原爆が戦争を終わらせ、多くの兵士の命を救った」ということが常識になっており、その正当性を支持する声が大半ですが、その中で、なんで”核廃絶”を訴えることになったのか。そのきっかけは、今村昌平監督の「黒い雨」(1989年)を見たことだったんだそうです。

「映画を見て、そんなに人生が変えられることがあるんだ!」と僕はジーンと静かな感動を覚えました。

 

よくよく考えたら、僕だって小さい頃、テレビの洋画劇場で「キングコング」(1976年)を見て映画に憧れ、ジャッキー・チェンの映画が放送された翌日は、教室のみんなで真似をして怪我をし鼻血を出すやつもいたし、「フライトナイト」(1985年)を見てSFXの虜になり、吸血鬼の歯やリアルな目玉を粘土で夜な夜な作り、「BARAKA」(1992年)に見て感動した暁には、ついに「自分も映像の仕事につきたい」と夢を見てしまいました。

映画や映像で人生を狂わせられる(?)ことは珍しくないんでしょう、きっと。


「たかが映画」なのに、そこまで人に、人生に、社会に影響を与える力ってどこから生まれるんでしょうね。

それはきっと、作る人たちの"呪い"のような思いが伝播するからに違いありません。

今のHORIZONの活動をするにあたり、そんな思いを伝播するために、機材をどう扱い利用していくのかを考えることもあります。


まとまりがなくて申し訳ないですが、そんなことをふと考えた夜でした。

「たかが映画」されど映画です。


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